シャトー・ムートン・ロスチャイルド Château Mouton Rothschild 1986

ボルドー地方でも特に名高いワイナリーで、その最大の特徴は、芸術とワインを融合させた点にあります。毎年、ラベルには著名なアーティスト（ピカソ、ダリ、シャガールなど）がデザインを手がけ、その芸術性の高さがワインの魅力を一層引き立てています。また、シャトーは1853年にムートン家が購入し、1934年には「第1級」に格付けされるなど、品質の高さでも知られています。カベルネ・ソーヴィニヨンを中心にしたブレンドは、力強く、エレガントな風味が特徴で、熟成を重ねることでさらに魅力を増します。

1986年は、その卓越した品質と深い歴史的価値が魅力です。1986年の生育期は、ボルドー地方にとって理想的な気候条件に恵まれ、暑く乾燥した夏が完璧な熟成を促しました。特にカベルネ・ソーヴィニヨンが主力のブレンドにより、濃密で力強い味わいが特徴です。このヴィンテージは、豊かな果実味とスパイス、トーストしたオークのニュアンスが複雑に絡み合い、長い余韻を楽しめます。評価も非常に高く、長期熟成が可能なワインとして称賛されています。ラベルデザインは、ハイチ農園経営者一族に生まれたベルナール・セジュルネによるもので、芸術とワインが融合した象徴的な一本です。